アスベスト含有率の測定方法を定めた日本工業規格「JIS A 1481」は、平成20年に改正・公示されました。さっそく、改定後の「JIS A 1481」に基づくアスベスト分析方法について、具体的に解説させていただきます。
まず、従来の適用範囲である「主にクリソタイル、アモサイト及びクロシドライト」という箇所が、前回の改定の際に定められたアスベスト含有率0.1%への規制強化を踏まえて、不純物であるアスベストの測定のさらなる正確化を図るため、あらためて6種類のアスベスト全てに適用させた「トレモライト・アクチノライト・アンソフィライトも対象に包含」と改正されました。
また、改正前は天然鉱物であるバーミキュライトは適用外でしたが、その後バーミキュライトの前処理法が確立され定性分析が可能となったため、「吹付けバーミキュライト(「蛭石」または「ひる石」とも呼ばれます)にも適用」と改正されました。その改正に伴って、吹付けバーミキュライトの分析方法も追加されました。
次に、アスベストの測定方法に関する改正内容について説明させていただきます。
改正前は一次分析を顕微鏡で行う方法として偏光顕微鏡による消光角法が規定されていました。しかし、一次分析に顕微鏡を使用するアスベスト分析方法は、高い熟練性が求められるだけでなく、各分析機関で統一的にこの方法が実施されているわけではないため、この偏光顕微鏡による消光角法は、改正後の「JIS A 1481」から削られています。
定量分析については、従来は二次分析試料の残渣率が0.15以下のケースにのみ適用されていましたが、残渣率0.15超のケースでの措置の明確化を図るべく、二次分析試料の残渣率が0.15超のケースでは三次分析試料を作成し、定量分析を行うように改正されました。
加えて、改正前は「顕微鏡による再分析を行うこと」とだけ定められていた項目については、新たに再分析の対象と方法が追加されました。
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