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2009/02/24

JIS A 1481によるアスベスト分析方法とは?

建材製品のアスベスト含有基準は、「建材製品中のアスベスト含有率測定方法」JIS A 1481および労働安全衛生法によって定められています。JIS A 1481によるアスベスト分析では、石綿などが建材製品の重量中に1%以上含有しているかどうかが測定されます。

JIS A 1481によるアスベスト分析方法について、具体的に見ていきましょう。
まず、試料を粉砕し、蟻酸によって溶解させる前処理工程が行われます。次に、分散染色法による3回の観察、位相差分散顕微鏡による観察、X線回折法による定性試験が実施された後、X線回折法による3回の定量試験が行われます。

石綿を含んでいるかどうかを調べるための定性分析による分析行程では、位相差顕微鏡を用いた分散染色法の後、X線回折法による分析が行われます。ちなみに、分散染色法とは、石綿の屈折率と使用する浸液の関係によって石綿が特有の分散色を表す特性を利用した分析法です。石綿を含んでいないことが判明すれば、その時点でアスベスト分析行程が終了します。

石綿を含んでいた場合に、その石綿が0.1%を超えて含有しているかどうかを調べる定量分析は、X線回析法に基づき、検量線による含有分析によって行われます。X線回折法は、標準試料の回折強度によって作成した軽量線を用いて実施されます。数種類の石綿が含まれている場合は、含有率の合計を試料中のアスベスト含有率として設定します。

アスベスト分析行程における定性分析の際に石綿を含有していると判断されたにもかかわらず、定量分析の段階で石綿回折線のピークが確認できない場合は、石綿が0.1%以上含有しているものとして取り扱うと、JIS A 1481の解説中で定められています。

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